「株主と相談」の必要が全くない'売上シェア型'の資金調達(代表)
こんにちは。
神社お寺の投稿サイト「ホトカミ」を運営する株式会社DO THE SAMURAI代表の吉田 亮です。
昨日、公開した 起業家が選択する資金調達の方法、メリットとデメリット、私の決断(代表) - DO THE SAMURAI BLOG は、
実際にベンチャーキャピタルで働いている方からもコメントを頂くなど、
(若干の)反響がありました。
今回の記事は、その続編です!
実際にベンチャーキャピタルで働いている方からもコメントを頂くなど、
(若干の)反響がありました。
今回の記事は、その続編です!
また、「売上シェア型の仕組みに興味を持ったけど、よく分からない」という声も頂いたので、
今回は、売上シェア型の仕組みについてできる限り、わかりやすく解説しつつ、
なぜ、売上シェア型での資金調達を選んだのか、紹介します。
前回の記事もですが、これはあくまでDO THE SAMURAIの場合という、
ひとつの事例に過ぎません。
実際に資金調達を検討する場合は、
ベンチャーキャピタル含め、様々な方に話を聞いた上で、
ご自身に合った資金調達を決断してください。
ひとつの考え方として、
参考になれば幸いです。
また、できる限りわかりすく書くつもりですが、
専門家でもある程度、納得できるように難しめなことも書きました。
一般の方は、分からない部分は読み飛ばしてください。
(僕も昔は何言ってるのか、よくわかりませんでしたが、
契約書を読み込むなどするうちに、理解できるようになったので、
少しづずつで大丈夫だと思います。)
では、早速、本題に入りましょう。
では、早速、本題に入りましょう。
売上シェア型出資の概要
まず概要を説明すると、
売上シェア型出資の概要は、以下です。
「売上連動シェア型匿名組合出資」
融資でも株式出資でもない、新しい資金調達の仕組みです。
融資ではないことの特徴として、
「出資者への分配は、出世払いで良い」ということです。
融資が売上に関わらず一定の金額を返済し続けなければいけないのに対して、
売上のパーセンテージを分配する約束で、調達する仕組みです。
また、株式出資ではないので、経営者が株式を100%保持します。
そのため、経営には一切タッチされることなく、Exit(上場やM&Aなど)の義務もありません。
※「株主と相談」する必要がありません、なぜなら株主は自分ひとりだからです。
説明だけだと、イメージしづらいと思うので、
雰囲気をつかむために、
「売上シェア型出資」がメディアに取り上げられた事例を紹介します。
メディアに取り上げられた事例
事例①日本経済新聞「融資先売上高の一定比率が報酬に MAKOTOがファンド」
起業家支援のMAKOTO(仙台市、竹井智宏代表理事)は融資先の企業の売上高の一定比率を報酬として受け取るファンドを設立した。株式を取得しないため経営者は独立を保てる。ベンチャーキャピタルの投資対象となりにくかった株式公開を目指さない中小企業も資金支援できる。
<コメント>
MAKOTOさんは、「志の起業家を全力支援」というミッションを掲げられています。
たまたまなのですが、DO THE SAMURAIのサムライは、士(サムライ)の心=志からきているので、同じですね。
一度だけお会いしたことがあるのですが、代表の竹井さんも素敵な方で、明治維新から150周年ですし幕末談義に花咲かせてみたいです。(全然、関係ない話になってしまった。)
※MAKOTOさんと、DO THE SAMURAIとは、全く出資など関係ないです。
事例②pedia「「21世紀型の新しい形で持続可能性を追求したい」DO THE SAMURAI、日本全国の神社・お寺の口コミ投稿サイト『ホトカミ』を提供開始 「売上シェア型出資」で資金調達」
今回の資金調達は「レベニューシェア(売上シェア)型出資」と言われる形態で実施されている。吉田氏によれば、国内で10社程度行われているそうだが、公表されるのは初めてだという。なぜ、ポスト資本主義型の資金調達とも呼ばれる「売上シェア型出資」による資金調達を選んだのか。その理由を、吉田氏は次のように語ってくれた。今回ご出資いただいたお二人とは、ETICをきっかけに知り合い、ホトカミを立ち上げる前から事業の相談をさせてもらっていました。ずっと見守ってくださってきた信頼している方から出資頂き、売上を作るのも一緒にエンカレッジしてもらいたいと思って、売上シェア型出資という形で資金調達を行いました。今のゼロイチの段階を大切にしたい、また時間をかけて長期視点で神社やお寺の課題を解決していきたい。そう考えた時にVCから出資してもらうのは少し違うのではないかと思っていたんです。その時に、売上シェア型出資という形があるのを教えてもらいました。売上で恩返しもできるし、同じベクトルで一緒に事業を作っていけるので、今のフェーズでは一番良い形で出資してもらえたと考えています。実は、今回の投資契約書の中に、僕らが真摯に取り組み頑張り続ければ、出資者の方々もコミットし続けるという一文を入れてもらったんです。一般的な投資契約書は、どちらかというと無味乾燥なようなものだと感じていて、出資者との繋がりを大切にしたいと考えて、心温まる一文を入れてもらうことにこだわりました。
<コメント>
取材してくださった坂上聖奈さんは、
短い時間で的確に取材し、素敵な記事を書いてくださって、とても嬉しかったことを覚えています。
特に、記事の導入部分の内容にも、高まりました。
『ホトカミ』は、仏(ホトケ)と神(カミ)を合わせた造語。のような表現も、こんなに端的にまとめられるのか!と。
自分では当たり前過ぎて、言語化できなかった部分をうまくまとめて頂けて、感謝です。
「21世紀型の新しい形で持続可能性を追求したい」DO THE SAMURAI、日本全国の神社・お寺の口コミ投稿サイト『ホトカミ』を提供開始 「売上シェア型出資」で資金調達 | Pedia News
事例③「Excelが固まった」 14万件のデータ、手作業でまとめ……神社・お寺の口コミサイト「ホトカミ」の挑戦
同社は16年4月、資金調達を行った。出資者に株式を割り当てず、売り上げの一部を分配する「匿名組合出資」という形。日本古来の金融システム「頼母子講」に似ているという。株式は吉田さんが100%保有したままだ。ベンチャーキャピタルから出資も検討したが、VCからの出資を受けると一般的に、5~7年程度でIPO(新規株式公開)や事業売却などエグジットを求められる。ホトカミというサービスにはマッチしないと判断した。「VCから出資を受けると短期で結果を出さなくてはならず、結果が出なければ、例えば、『墓石の販売サイトにして利益をあげろ』などと言われるかもしれない。それは絶対に嫌だ。ホトカミのデータを100年後に残したいのに、7年ぐらいの期限をつけるのは、コンセプトに反している」
<コメント>
取材してくださった岡田有花さんは、
1ヶ月近く電話やメールなどで追加で確認の取材をしてくださり、丁寧に記事にしてくださりました。
また、ホトカミは宗教に大きく関与しているため、表現が難しい部分などもあるのですが、
繊細な部分にも配慮いただいて、有り難かったです。
この記事がネット界隈の方に読んで頂けたおかげで、
カッコイイ先輩経営者の方とも出会うことができたり、ご縁な記事でもあります。
思い出も振り返ってしまいましたが、
「売上シェア型出資」のイメージはつかめましたでしょうか?
「売上シェア型出資」の要点
ここで、改めて要点をまとめます。
「売上シェア型出資」とは、
1、売上が出たら、そのうちの一定比率を恩返しする
2、株式(経営権)を100%保持したまま
3、そのため、Exit(会社を売るor上場)は全く関係ない
4、売上たくさん出たら、たくさん返すことになる。
(たくさんと言っても、Exitのように100倍のリターンなんてことはありえない。数倍程度。)
5、売上が出なかった場合、返さなくても良い。個人保証などもない。
6、期限が来たら、終わる(株式のように基本的に不可逆ではなく、そもそも終わる前提)
という仕組みです。
そして、DO THE SAMURAIがどういう資金調達をしたかというと、
2017年4月のリリースまでは自己資金と個人的な融資を組み合わせながらやりくりし、
リリースと同時に、「売上シェア型出資」で資金調達しました。
株式での出資は受けませんでした。
「売上シェア型」を選んだひとつ目の理由は、
株式を100%保持できるため、
Exit(会社を売るor上場)の義務がない。
つまり、お墓売らなきゃいけなくなる可能性はゼロだから。
そして2つ目の理由は、
「売上を出そうとする経営がしたい」という僕の経営方針に出資の仕組みが合ったから。
うまく言えないのですが、3年以上赤字を続けるのが、普通にイヤというか自分の性格的には不健全だなって思いました。
ホトカミのような、いわゆるデータベース(ユーザーさんの投稿)をひたすら増やすタイプのサービスは、3年近くひたすら資金調達をし続けて、赤字を続けて、
その後、一気にスケールさせて、Exitというのが一般的だと思います。
しかし、常に売上も出そうと、努力し続ける必要がある状況でホトカミを進めたかった。そして、それが健全な気がしました。(現状では、まだ売上はほぼゼロですが)
また、DO THE SAMURAIでは、
「100年後にも感謝される事業」というのを理念に掲げています。
「100年後にも感謝される事業」と、短期でのゴールを求められることとは、
考え方が相反するので、
「売上シェア型出資」を選びました。
すでに、100年後にも価値あることできてるなっていう自信があります。
出資者はどんな気持ちで出資したのか?
最後に出資者はどんな気持ちで出資してくださったのかを
紹介します。(あくまで僕の推測ですが)
2017年4月に「売上シェア型出資」で、
お世話になっている方、2人に出資して頂きました。
ひとりは、資金調達について考え始めた当初から、
「どんな形でも応援するから出資するよ」との言葉を頂いていました。
僕も、その方に出資して頂きたいし、恩返ししたいと思っているので、
出資をお願いしました。
(本当に恩人です。その方がいなかったら、間違いなくホトカミは生まれていませんでした。)
もうひとりの方からは、
「吉田くんなら、絶対何かやり続けるんだろうな、と思うので応援してます。」との言葉を頂きました。
今改めて思うのですが、
事業モデルが良いとか、めっちゃ儲かりそう!とかでは全くなく、
吉田 亮という人間を信頼し、出資してくださったのかなと思います。
(ちなみに、一度も資料をつくって見せたりはしていません。今でもビジネスモデルはないです。でも、価値モデルはあります。=どれだけ価値があるか、ということ。)
ちなみにお二人には、すでにリターン(売上の数%)を恩返しし始めています。
(合わせてまだ10,000円程度ですが。)
なんか売上が上がった分、恩返しできるのは、
めっちゃいいな!なんか嬉しいなって、リターンを入金しながら思いました。
というわけで、
長くなってしまいましたし、
わかりやすく伝えられたのか、わかりませんが、
前回の記事( 起業家が選択する資金調達の方法、メリットとデメリット、私の決断(代表) - DO THE SAMURAI BLOG )と合わせて、
株式会社DO THE SAMURAIのこれまでの資金調達についてご紹介しました。
株式会社DO THE SAMURAIのこれまでの資金調達についてご紹介しました。
コメントやメール(info@dothesamurai.com)など頂けたら、
返信や追記するので、気軽に連絡ください。
ご武運を。
※この記事は、DO THE SAMURAIの資金調達に関するブログ三部作です。
【其の一】