1年で10倍成長を遂げたWebサービス「ホトカミ」を振り返りつつ、2019年の展望を語ってみた。
こんにちは。
神社お寺の投稿サイト「ホトカミ」を運営する株式会社DO THE SAMURAI代表の吉田 亮です。
今回は、1年間で10倍以上に育ったホトカミの成長の過程を振り返りつつ、
2019年の目標をお伝えします。
※6500字の長文なので、気になるところだけ深く読みつつ、どんどん読み飛ばしてくださいね。全部気になった方は、関連記事も都度紹介しているので、じっくり読み進めてください。
2017年→2018年で、
— 吉田 亮⛩ホトカミ@神社お寺の投稿サイト (@RYO_ReaL) January 5, 2019
・ホトカミに訪れた人は26倍!
・ページビュー数は11倍!
日次と週次、月次しか追ってなかったけど、年間で見たらなかなかスタートアップな伸び方してた。
我ながらスタートアップの手法を、社会的な領域に活かす好事例。#日本文化な会社経営物語 pic.twitter.com/LDLAsBIuP7
春(1月〜3月)
・日本初となるエグジットを前提としない出資、ソーシャルエンジェル出資で資本金が末広がりの8888万8888円に。
ずっとお世話になっている黒越さんに取締役になると共に、約1億円を出資していただきました。
「ホトカミのビジネスモデルって何?」ってよく聞かれます。
僕は、ホトカミを始めると決めた2年半以上前から毎日考え続けています。
しかし、2019年1月5日時点ではまだビジネスモデルは無いです。
でも、アイデアは100個以上あります。
DO THE SAMURAIは『100年後にも感謝される事業』を理念にしているので、
「いつなのか?」「どんな形なのか?」は毎日、問い続けています。
今年2019年こそ、何かしらの形で収益化しますが、
「神社お寺」「一般のみなさん」「DO THE SAMURAI」「未来を生きる人たち」の四方良しになるような良い形を模索しています。
出資について詳しく知りたい方は、以下の記事に詳しく書いてあります。
・みんなで熱海へ旅行に。
合宿って言っていたのですが、単純にみんなで熱海に旅行に行きました。
『美味しかった!楽しかった!』です。笑
またどこかの神社やお寺で合宿したいです。
ブログのタイトルで俳句を詠むときは、僕が感情的なときですね。
みんなで雨宮宮司にお話を伺わせて頂きました。好き。
・ホトカミをやっていたから、座禅と出会い、人生が変わった村上くんの卒業。
村上くんはあけおめメッセージと共に、Twitterアカウントを始めたよって連絡くれました。
普勧坐禅儀 (@fukan_zazen_gi) | Twitter
夏(4月〜6月)
・神社お寺のお参りの記録投稿サイト「ホトカミ」一周年
ホトカミを世に公開して、一年が経ちました!
会社としても3期目に突入しました。
非エンジニアの僕の仕事をまとめた記事です。
・菊地くんの加入
本当に菊地くんがいなかったら、実現できなかったこと、たくさんある。
それまで僕は、コードのレビューもデザインのコーディングも本当に全部やってたんだけど、菊地くんのお陰で開発まわりのクオリティが上がり、僕が他の仕事もできるようになりました。
そして、ずっと1人エンジニアとして、文字通り孤軍奮闘していた小沼くんの技術的な話し相手が生まれて、ほっこりしました。
タイトルは少し強めだけど、就活での迷いを通して、DO THE SAMURAIに決めた理由の菊地くんの一本目のブログ。
菊地くんはエンジニアの傍ら、神職としても神社に奉仕しています。
お正月は、武蔵国二宮である金鑚神社で奉仕されていました。
・明治大学で、インターンシップについて授業。
「情熱注げるものを見つけるためには?」
「やりたいことはあるけど、どうやったらいい?」
「人間は、なんのために働くの?」
「なぜ、インターンを受け入れるの?」
「インターンの仕事はなんですか?」なんてことに答えました。
答えた内容をまとめた記事。
秋(7月〜9月)
・会社の仕組みが整備され始める。
個人事業主から法人化して2年間は経理も僕がひとりで全部やっていました。
しかし、通常業務における士業の割合が増えすぎてつらくなってきた頃、めちゃくちゃ心強い顧問税理士さんと助太刀さんが加わってくれたお陰で、仕組みが整い始めました。
・Forbes8月号の特集「新しいイノベーション!日本の担い手99選」にDO THE SAMURAI選出
これまでもWebメディアや専門雑誌に取り上げて頂くことはあったのですが、やはり日本中のコンビニでも買える雑誌に載ると嬉しいですね。
何が嬉しいかというと、滋賀のおじいちゃんにも手に取って、孫が東京で頑張ってるなぁと感じてもらえるからです。(ホトカミを理解してくれたおじいちゃんは今年、初詣行ったときも、「写真撮ったか?」としきりに聞いてくれました。笑)
・ケビンとの出会い
世界で最も入りにくいと言われるミネルバ大学からのインターン生ケビンがやってきました。
この冬休みにも2週間働きに来てくれたり、11月にもDO THE SAMURAIの他のインターン生の学園祭を一緒にまわったり、めっちゃ仲良くなりました。
一緒に神社にお参りした話
一緒に座禅した話
ケビンの感想
・多言語お参りガイドをリリース!
【訪日外国人向け】神社仏閣おもてなし参拝ガイドを作成しました。 - DO THE SAMURAI BLOG
福岡と北海道の神社さんに導入して頂いています。
気になる方はコチラから。
・神様マップ月間85万PV
現在は一時休止中ですが、全国の御祭神や宗派を見える化したマップがめっちゃバズりました!
・講2.0を着想し、講について研究
特に具現化しませんでしたが、現代に新しくも懐かしい形で蘇らせるべきは、
講だ!という閃きがあり、夏の自由研究として、講についての分厚い本や論文を読み漁り、調べました。
ユーザーさんから需要のある、
「御朱印」以上「檀家 / 氏子」未満の寺社との繋がりをなんらかの形で提供したいと考えて、着想しました。
あくまでアイデアですが、講2.0は以下のメモのようなものです。
『年会費×寺社特化クラウドファンディング』
神社お寺に電子決済で個人で'年会費を'寄付し、その神社お寺を応援するというサービスです。
既存の崇敬会や奉賛会と言われるものは、FAX申し込み銀行振込なのですが、『(ホトカミという)ネットを通じ』『(クレカなどの)電子決済で』、お金を納めることができます。
寄付する金額は、3000円、5000円、1万、3万、5万、8万、10万など。
<想定される活用例>
・寺社のファンクラブとして
・鳥居や仏像の修復
・寺子屋をやりたい!というお寺のビジョンに共感し、寄付など
ホトカミが提供する価値は、
1、決済システム
2、集客(日本一の神社お寺サイト)
3、代弁(金額や、この寺社の魅力やこだわりは〜〜だよ!)って第三者目線で紹介してあげる
なにかできないかなぁ?と模索中。
・神社で仏教 / 神道サミットを開催
神主さんやお坊さんが集まってざっくばらんお話しする会を、初めて神社で開催しました。
・紫式部モードの大失敗!
紫式部モードとは何かというと、
『代表の僕がひたすら神社やお寺に関する記事を書く』という作戦です。
8月11日の全体会議で9月1日から10月31日までは、僕は一切他の仕事はせず、
紫式部モードになると決まりました。
以下、8月31日のFacebookの投稿での所信表明です。
僕らの考えとしては、世界一わかりやすく、信頼できる記事を生み出せば、必要としている人は読んでくれると思います。
正直、ネット上に、わかりやすく信頼できる神社やお寺の情報はほとんど無いです。せっかく興味を持って検索しても、難しかったり、怪しかったりする情報が多すぎます。それは口惜しい。
そして、僕は今生きてる人類のなかで上位10人に入るレベルで、ネット上で神社やお寺について調べる人の気持ちを理解し、共感することができると勘違いしています。なぜなら、ここ2年で1万6000以上の投稿すべてに目を通し、すべてのユーザーさん(参拝者)とメールでコミュニケーション取っているからです。
そして、ユーザーさんにアンケートを取ったり、専門家に相談したりして、信頼できる情報を確保することができます。ホトカミの記事は実名で書いてますが、僕の名にかけて、信頼できない情報は掲載しません。
神社やお寺の魅力を伝えていくにあたり、お参りに関係する記事を生み出すことは、僕らが超えなきゃいけないハードルです。(勝手に使命感を感じています)
例えばですけど、以前、写経の記事を書いたときは、写経人口を1年間に10万人増やそうという気合いで書きました。そして気合いだけではなく、ロジカルに10万人増えたかどうかも読了率などをもって、ある程度は計測できるようにしています。
Too muchなリソースを投下して、神社やお寺というものを、ちゃんと伝えようと真っ正面から取り組んでいます。もちろん記事を作っても、1円も入ってこないままです。でも、これは僕たちしかできないことなので、やらなければいけないという使命感的な何かでやってます。
という大義を背負って、始めたのですが、
結局、9月30日を以って失敗を認め、断念しました。
失敗した原因を端的にいうと、
「頑張る!」という根性のみで乗り切ろうとしてしまったこと。
もちろん、「頑張る!」ことは大切なのですが、
それは頑張り方が見えていたら、頑張れるもので、
ただ「頑張る!」だけでは、頑張ってもうまくいかないですね。
具体的には、
・僕以外のメンバー(特に菊地くん)にめっちゃ負担がかかった。
・その割に、吉田が執筆時間を確保することができず、記事の執筆も進めることができなかった。
全然、うまくいきませんでした!
でも、すぐ諦めて良かったです。
その後、10月は僕が他の仕事も全部やりつつ、
記事も書こうとしたのですが、普通に忙しすぎて、無理でした。笑
しかし!
11月から大きくやり方を変えたら、うまくいき始めました。
どうやったかというと、
紫式部モードに代わり、古事記モードです。
※古事記は、稗田阿礼(ひえだのあれ)が覚えていたことを話しながら(編集)、太安万侶(おおのやすまろ)が書き記すことで生まれました。社内では、僕しか古事記モードとは言っていません。
古事記にならって(?)、僕はパソコンを使わず隣に座り、一言一句漏らさず音読し、句読点の位置まで編集しながら、毎週5人の書き手とともに記事を生み出しました。
毎週25時間以上、月間100時間は記事執筆に込めました。
結果として、僕1人で書くよりもクオリティが高く、深いものが生まれたし、
何よりも書き手のみんながめっちゃレベルアップしました!
神社やお寺のことを、こんなに分かりやすく、信頼できる情報 / 表現で、
多くの方に届けることができるのは、ホトカミだからこそです。
ホトカミの最新記事一覧
・世界遺産・仁和寺の瀬川門跡猊下にインタビュー
生きてきたなかで、最も緊張しました。
本当にありがとうございました。
冬(10月〜11月)
『育てる(ために任せる)or 口出して(教える)で葛藤する問題』
スタートアップあるあるかもしれませんが、
仕事をどんどん任せた方がみんながレベルアップするだろうけど、任せすぎると仕事がなかなか進まなかったり、クオリティが低いものしか生まれなかったりしてしまう。
でも、僕が口出し過ぎると、早く進むしクオリティも担保されるけど、自主性が損なわれてしまったりする・・・という悩みに、紫式部モードの大失敗を経て、ぶち当たりました。
しかし結果として、上述の古事記モードのように、
『一緒につくる』ことによって、
・みんなもレベルアップ
・僕もレベルアップ(自分1人でやるより教える方が鍛えられる)し、
クオリティ高いものが生み出せるようになりました。
本当にみんなすごい。
何がすごいかというと、
最近、自覚したのですが、僕めちゃくちゃ細かいので、そのレベル感で当たり前のように仕事できてるの、本当にすごい。
特に、「異常な言葉へのこだわり」「デザインは0.5pxまで見える」など、本当に細かいです。(自分では当たり前だと思ってたけど、かなり細かいと最近気付いた。)
でも、まだまだ完璧じゃないところ、たくさんあるので、
もっとクオリティ上げていきたい。
・ホトカミのシステムをcakePHPからRuby on Railsへ刷新
そして、2018年の大仕事、コードを全て書き換え、
ホトカミのシステムを刷新しました!
おそらく月間100万ページビューだけのユーザーがいて、メディアではなくサービス(投稿サイト)で、これだけの大規模な刷新を行ったチームは2018年の日本のWebサービスでもほとんど存在しないのではないか、と思います。
(もしいたら、苦労を語り合いたい。)
今年の春、まずサーバーをAWSに移行し、5月頃からRailsに書き換える大仕事に取り掛かりました。
詳しくは、エンジニアの菊地くんのブログより。
結果は、機能を減らしてでも年内に移行することを優先し、実現しました。
そして、このシステム刷新を通じて、
株式会社DO THE SAMURAIは胸を張って、IT企業を名乗れるようになりました。
「文化への深い尊敬と理解があり、テクノロジーも強い」のは、
僕らの強みです。
2019年、ホトカミはもっと良くなっていきます!
2019年の目標
以下、目標を公開しますが、間違いなく目標は変わります。
(むしろ変わる方が健全。なぜなら社会も僕たちも変わっていくから。)
でも、大きな方針は変わらないです。
今年2019年の目標も、
『神社やお寺と人々のご縁をたくさん紡ぐこと』を目指して、
具体的には、
「毎月1000万PV(今の約10倍)」
「毎月10万投稿(今の約100倍)」
「全然宣伝してこなかったホトカミ公式アカウント(30寺社→300寺社)や多言語ガイド(3寺社→300寺社)を日本全国で使ってもらう(少しずつ)」
「ホトカミの熱いファン888人」
「永続的にホトカミを運営できるような収益化」
さらに、
「御朱印以上、檀家 / 氏子未満の寺社と人々の関係構築に貢献したい」です。
そして、
『1,000年後にも感謝される事業』という長期的な目線で常に生きていきます。
ここまでが、DO THE SAMURAIとしての方針ですが、
個人的には内村鑑三が後世への最大遺物のなかでいう『高尚な生涯を残す人々』を増やせるような活動に取り組んでいきたいです。
具体的には、DO THE SAMURAIのみんなが『高尚な生涯を残せる』ようにしたいのはもちろんのこと、
MAKERS UNIVERSITYの同輩や、大学の授業やゼミに呼んでもらったり(今月も東北大学へ)、(もちろん神社やお寺の後継の方など含め)日本文化や歴史関係でなにか生きていきたい!という人の応援をしていきたいです。
というわけで、例のごとく6000字を超える長文となってしまいましたが、
今年もよろしくお願いします!
(いち歴史オタクとして、元号変わるのほんと楽しみ。)
ご武運を!
エンジニア、デザイナー、ライター、インターン、アルバイト、神職さんお坊さんを募集しています。
お気軽にご連絡ください。